ジム・ロジャーズ「世界大異変」で日本の行く末を覚悟する

8/31。

ネットで見かけて気になった「世界大異変」という本を読んでみました。
有名な投資家ジム・ロジャーズの最新刊で、2022年5月発売。
3ヶ月遅れで読んだ感じだけど、まあまあ旬な内容でした。

といっても、本人がガチで書き下ろしたわけではなく、
日本の編集部が本人にインタビューした内容をまとめてある本なので、
どちらかというと、いま現在から見た未来予測が中心という印象。

メインは投資に関する予測なんだけど、とりあえず現時点で何も投資してない私が
気になった点は、やっぱり日本の行く末ですね。。。
個人的に読んで良かったと思うのは、日本が今後衰退していくであろう理由を
データで示してくれていたところです。
ひとつ例を挙げると、

人口推計はあらゆる将来予測の中で、もっとも精度が高い予測と言われる。日本の国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2021年に生まれた日本の子供の数(出生数)は、約81万1000人で、前年より3万人減少している。2040年には出生数は70万人前後にまで落ち込む見通しだ。

その一方で、2040年に70歳になる1970年生まれの人は200万人もいる。その頃には、70歳は高齢者に区分されていないかもしれないが、このまま現行の社会保障制度が維持できるとは思えない。これは私の意見や感想ではなく、数字が示す事実なのだ。

ジム・ロジャーズ「世界大異変」第三章

要するに、この事態をこのまま放置するなら、
日本人が今の生活水準を保つのは難しいよ、という話です。
経営破綻した他の国々のように、外資に買われまくって、
大多数の中間層は今より貧しくなるだろう、とのこと。

嬉しくない予測だけど、これが言い過ぎだとは思えないんですよね。。。
日本の出生率がヤバいというのは皆が知ってる事実だし。
今後の日本はじわじわと、貧乏な国になっていくかもしれない。

他にもいろいろ理由があるなかで、もうひとつ説得力があったのは
日本の「失われた30年」についての言及があったことかな。

1990年代の前半に日本ではバブルが崩壊し、政府は巨額の借金をして、数多くの企業を救済した。そこから日本の失われた10年が始まった。そして、それは10年どころか、また10年、次の10年と続き、株価は30年以上経った現在でも、最高値を40%ほど下回っている。

90年代の同時期に、スウェーデンでも金融危機が起きたが、政府は多くの企業を救済せずに破綻させた。1-2年ほどは苦境にあえいだが、その後は急速に回復し、今では株価も90年代のピークをはるかに上回っており、国家財政も日本よりはるかに健全だ。

ジム・ロジャーズ「世界大異変」第三章

このへん、英字新聞イベントをやってるときに、ムーミン師匠が
同じこと言ってたんですよね。。。

日本では、たとえダメな企業であってもそんな簡単に破綻させようとはしない。
その結果、不健全な企業でも補助金やら何やらで生き残れてしまうって。

もちろん、だれも路頭に迷わないのは短期的にはいいことかもしれない。
でも、そんな生き延び方で従業員に利益を還元できるビジネスができるわけがなく、
結果的に、賃金は低いまま維持するしかないという事になります。
まあ、私たち日本人がそれを望んでいるから仕方ない。

でも、そういう甘えを許さないで、行き詰まった産業にナタを振るうのが、
ヨーロッパとかアメリカとかの成長してる国々。

もちろん、これをやったら痛いです。世論にも叩かれるからやりたくない。
たとえ成長が見込めない産業であっても、それなりに労働者がいるところを破綻させたりしたら
一時的に失業率が爆上がりして経済が落ち込むから。

でもその代わりに、破綻によってあぶれた大量の労働人口が
成長産業に移動できるようになるという恩恵もある。
そうやって健全な成長産業が次の経済を牽引できるようになり、
長期的にはより経済成長でき、賃金も上がっていくんだよね、というお話。

いやー、日本はこういう痛みの伴う成長の仕方は多分ないでしょ。。。
30年経ってもやらないんだから絶対ないよね。

まあ、最低賃金で働くバイトがこんな本読んでどーすんの?
って話ではあるんですけど。。。(^_^;)
日本の行き先をある程度見通せるようにアンテナ張ってたほうが、
少ない賃金でも、なにかと準備できるのではないかと思った次第です。

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この記事を書いた人

ちょっと人生やばい感じのアラフィフ自宅警備員です。
でもまだ人生諦めてないので頑張ります(゚∀゚)
Twitter:@weikichi75

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